【LINE@相談】プログラマーは人工知能に負けるか?
という質問をいただいたので、画像認識AIのブートキャンプに参加した経験を元に回答していきたいと思います。
人工知能が発展し、あらゆる仕組みが自動化して多くの人が職を失う。
そんな話をいたるところで耳にします。
果たして失業の波はIT業界にも押し寄せてくるのでしょうか。
人間のプログラマーが人工知能に負けてしまうのか、解説します。
目次
今のAIにプログラミングはできない
今のところ、AI自らプログラミングはできません。
できるようになるとしてもまだしばらくかかります。
AIが奪う仕事というのは、お店の販売員や会計士、それから事務員や単純作業と言われています。
現状のAIというのは一体どのようなものなのかを見ていきましょう。
今話題の人工知能はディープラーニングで作られる
近年話題になっている人工知能(AI)の急速な発展を支える技術が、ディープラーニング(深層学習)です。
コンピューター自らが、データに含まれる潜在的な特徴をとらえて、より正確で効率的な判断を実現させる手法です。
簡単に言えば、自分で学習するAIです。
ディープラーニング
ディープラーニングは、人間が自然に行うタスクをコンピューターに学習させる機械学習の手法のひとつです。
人間の脳の神経細胞、ニューロンの仕組みを模したシステムであるニューラルネットワークと呼ばれる技術がベースになっています。
このニューラルネットワークを何層にも重ねて用いることで、データの特徴を段階的により深く学習することが可能になりました。
しかし、なんでもこなせるというわけではなく、得意分野と苦手分野が存在します。
得意な分野
ディープラーニングが得意なのは、過去データからの未来予測やパターン予測です。
膨大なデータを読み込んで学習し、予測します。
例えば世間を騒がせたグーグル社の「アルファ碁」。
これは過去のプロ棋士の対局記録をもとにアルファ碁自身を相手にした対局を数千万回も繰り返して学習し、知識を深めました。
その結果、人間の直感に相当する力を得て、プロ棋士に勝ちました。
苦手なもの
ディープラーニングは、人間にとって難しいことは得意ですが、逆に人間にとっては簡単なことが苦手です。
人の感情や複数人が関わるものだったり、まったく新しいものをゼロから作り出すのは困難です。
つまり、無数にあるアプリケーションの中身を完璧に書く(プログラミングする)ということは、苦手分野なので難しいです。
正答率100%は難しい
kerasという、Pythonで書かれた高水準のディープラーニングライブラリを使って、犬・猫・人間の画像をわけるソフトが作られました。
しかしこのソフトはプロが作っても、正答率90%が限界でした。
現在の技術では、このレベルのことでも100%は難しいのです。
人工知能がプログラミングするとバグが多発する
人工知能にプログラミングをさせようとすると、膨大なコンピューター処理能力が必要になります。
また、ソースコードがバグだらけで不具合が多発してしまい、現状だととても実用レベルという段階ではありません。
まとめ
- 今もっとも優れているのはディープラーニング
- ディープラーニングでは人が複数関わったりする案件は難しい
- 今の人工知能では100%の正答率を出すのは難しい
ということで、もし人工知能がプログラマーの仕事を奪うということが現実になるとしても遥か未来のことです。
これからもまだまだプログラマーは必要になりますので、安心してプログラマーを目指してください。